フェルマーの最終定理入門2
今回もフェルマーの最終定理の紹介を続けたいと思います。特に今回は証明の流れを言葉の定義はそこそこにして書きたいと思います。
フェルマーの最終定理証明概略:
- 背理法により示す。即ちフェルマーの最終定理が正しくないと仮定し矛盾を導く。
フェルマーの最終定理が正しくないと仮定すると、フェルマー方程式
$$x^n+y^n=z^n$$
は整数解\( (a,b,c) \)を持つ。ここで\( (a,b,c) \) は互いに素な素数であるとする。(※)
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2. フライによる言い換え :
(※)と以下の楕円曲線が存在する事は同値である。
$$y^2=x(x-a^2)(x+b^n)$$
ここで\(a\)と\(b\)は(※)の整数解であるとする。この楕円曲線はフライ曲線と呼ばれる 。フライ曲線は半安定な楕円曲線と呼ばれる特殊な楕円曲線である。
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3. リベの定理(フライ・セールの予想をリベが解決した)
フライ曲線は(存在するならば)モジュラーではない。
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4. 谷山・志村予想
全ての楕円曲線はモジュラーである。
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リベの定理と谷山・志村予想は矛盾する。もし、谷山・志村予想が正しければ、リベの定理の仮定であるフライ曲線は存在しない事になり、フライ曲線の存在と同値であるフェルマー方程式の解は存在は否定される。即ちフェルマーの最終定理が得られる。
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アンドリュー・ワイルズは、半安定な楕円曲線に関する谷山・志村予想を解決し、結果定理は証明された。(Q.E.D)
と言う手順です。
谷山・志村予想の証明を除けば(ここが一番大事で難しい!)、以上の言葉を理解する為には、楕円曲線、モジュラーと言う言葉達を理解すればいいことになります。
次回以降、これらの概念の紹介をしていきたいと思います。